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           ISO14000S取得の苦労と効果

 

日程 平成11年7月29日(木)  14:00〜17:00
場所 寿区民館
講師 佐野 富和氏 (株式会社 佐野マルカ商店  代表取締役)

二見 一郎氏 (HOYA 株式会社  環境担当課長)

 

分科会の風景

 

 

佐野 富和氏

株式会社 佐野マルカ商店  代表取締役

 現在廃自動車に関しましては88.4%のリサイクル率を達成しています。今後は使用済み耐久消費財を対象に特に力を入れていきます。手で解体する率が高ければ高いほどリサイクル率は高くなりますが、コストとの見合いが問題です。車に関しての一貫ラインというのは、日本で私どもだけがやっています。ハードな事もやっていますが、ISO14000も取得して、社員教育もしっかりやっているからと、営業アピールとしてうちの会社を採用してください、ということでいまISOをフル活用しています。

 当社では環境影響が激しい本社工場と車のリサイクル工場の2ヶ所で取りました。中小企業の場合社長がやるぞと言えばいい。いつまでに取るぞと言えばいいのです。そのためISOのテキストの表紙に、なぜ取りたいんだという熱い思いを書きました。社長の思いとしてきちっと伝えなければ駄目です。

 ISOとは、システムの評価ということで、結果の評価ではありません。今まではどうしても事が起きてから対策をするということだったんですが、環境側面を明確に測定する事によって、起きるであろうことを予想するのです。その予防の仕組みを作り、しかもこの側面を明確にした後目的を作り、目標を作る。それでプログラムを作って、いつまでにやると決めて実行する、というシステムです。それから情報公開ということで、今ままではくさいものに蓋をしていたわけですが、それを直視するのです。ISOは自己責任で環境側面を特定しながら、システムを構築してその維持管理をします。切り口は公害規制をクリアーするところから、自分達で環境負荷を自己評価していきます。さらにそれを競争力を高めるほうに使います。また、文書管理をきちっとやらなければならないから、環境の面だけでなく、経営管理の中にすごくいい結果が出ました。

 最初、私はISOは営業のツールに使えるなと思いました。例えばスクラップとか廃棄物の処理費は競争して、うちの方が安く処理します、うちの方が高く買いますの世界で、そこに付加価値を高めるというのはあまりありません。そういう意味ではまさに私がピンと来た、営業のツールとして大きな威力を発揮しています。環境ISOをやってから環境とは違った面でも実施率等、きちっとチェックするのでそういう面が高まったと思います。又、事前に予防措置とかチェックをしていてリスクも回避しています。

 早く取得したことによるビジネスチャンスの拡大ということで、県の環境部にどうゆう会社がISOを取りましたかとか、リサイクルの関係でどんな会社がありますか等問い合せがあると、まずいのいちばんにうちの会社を紹介してくれるのです。早く取ったからとても目立つのです。私が昔何回も営業にいっても相手にしてもらえなかった会社がわざわざ人を介して私に会ってくれませんかと、自分でも驚いちゃいましたけど、そんなことが今起きています。全部、ISO、ISO。最初の頃、ISO14000というのは、USO800(うそはっぴゃく)だと言われまして。私もそのくらいにしか思っていませんでした。でもこんなに効果のあるものとは思いませんでした。産廃業界、スクラップ業界がISOを取る必要がないという人がいます。そんなの私たちには関係ないと言います。しかし私たちにとってこそ大事なことだと。今つくづく感じます。

 繰り返し繰り返し社長がそんなような事を言っていれば、最初はひとごとのように思っていた人が、だんだん環境側面とか、そんな言葉が自然に社員の中から出てき始めています。継続は力なりという言葉がありますが、どれだけ継続してやっていくかという事が大事かと思い、私はまず経営計画書に書いて、分かってもわかんなくても読みつづけて、これをさらに徹底していきます。形から入って心に至るという言葉がありますが、形を整えることによって、それだけでも変わるんですけど、その形もだんだん崩れてきますので、それをいかに継続していくかというのが今後の課題です。

 今マスコミの取材も増え、時々テレビカメラも入るものですから、社員もなおさら誇りを持ってやったりして。そんな薄っぺらなものだけが誇りに結びつくとは思いませんけど。テレビに出たことそのものよりも、社員からそれを聞くのがすごくうれしくてですね、こういう仕事やって良かったなと今つくづく思います。

 こういう思いで取り組んだという事を聞いて頂いて、自分にとってもうれしい気がします。ありがとうございました。

 

 

二見 一郎氏

HOYA 株式会社  環境担当課長

 HOYA()八王子工場の14001認証の歩みという事で発表させてもらいます。まずは、本社による国内主要工場は99年度末に取得せよと宣言された。これをうけやっとの事で八王子工場は99年2月に認証取得出来ました。この期間は2年、3年もありますとマンネリ化してなかなか取れないと思います。どうせ苦労するなら短い方が良いという事で1年後には取得すると計画しました。まずはゴールを99年1月審査日と定め、それからさかのぼってスタートを決めました。また、その進捗状況が把握出来るようにしました。これは9002取得時に活用した手段です。

 それでは14001のシステムの説明をします。

 手始めに環境側面の調査をする仕事から始めます。環境側面とは、IN側で使用されるもの(机、椅子、パソコン、蛍光灯、紙、薬品等) OUT側で出て来るもの(製品、不良品、廃液、廃棄物、音、振動、臭気等)全てあるものを洗い出します。当工場には各部門のダブりもありましたが全部で3000点ぐらいでした。この後、各部門の重要環境側面更に工場全体の重要環境側面の決定をします。その決定方法は、環境方針・法規性・有害科学物質・利害関係者・資源等5項目より考察しました。ここで重要環境側面に登録されたもの全て環境目的・目標に展開されなくてもかまいません。すぐ改善出来るものからやればよいのであり、自分たちで決めるものです。あくまでもシステムが構築されたその通り実施されているかを第三者である認証機関(利害関係者の代表者)に認めてもらう事にあるからです。構築にあたり環境マニュアルの作成には時間がかかりました。資料として他社で出版されている参考書、CD等で二ヶ月係とりあえず作成しましたが、最終的には審査機関のアドバイスが決め手でした。もっと早く相談に行けばよかったと後悔しています。次に規定の作成をしました。これは9002の経験からさほど苦労しないで作れました。

 同時進行で法令台帳の作成をしなくてはいけません。これは何の為に作成するのかといいますと、側面が法規等に該当する該当する手引書となるものであり重要なものです。当工場はマンパワー不足のため整理する時間がかかりましたが、過去の履歴一覧表となり苦労の甲斐があったと思います。

 計画の最後に該当する環境目的・目標は10件も20件もやろうとしても達成出来ませんので3つとか4つにしぼり自分たちの業務に密着し、気張らずに出来るものを選択した方が良いと思います。当工場ですと製造部門では歩留アップの工場を採択しました。なぜなら歩留アップすることにより廃棄物も少なくなります。効率もアップします。次にみんなが参加出来るような形で…そういう目的を今年度は選択しました。  (但し、審査は環境マネジメントシステム通りに実施されている確認です。)

 最後に、私たちが取り組んで一番良かった点は従業員の意識が上がり結束された事です。それに9000の場合はそうでもないのですが、取得しているか否かで取引先で選別される事です。これからは持っていない会社は淘汰されていく時代になるでしょう。

 話は違いますが環境会計の話をしたいと思います。環境に配慮していない企業にはお金を融資しないという動きが日本にも出てきました。最近の情報に注意しておいて下さい。

 今、盛んに官庁及び自治体は取得を目指しています。なぜなら14001は究極的にはコストの削減に結びつくと考えられているからです。取得後は個人レベルにも普及させないと現在の地球は良くならないからだと思います。

 また、ISO14001を取得した他の企業で、自社の悪いところを全て公開した為、海外から逆に評価されています。更にテレビでご存知のように《ごみゼロ工場》をうたい文句に販売を拡大したり、《ハイブリッドカー》を目玉に大々的に商売の武器にしている会社もあります。

 皆さんもチャレンジするのでしたらなるべく早く取得する事により顧客との取引上有利になります。取得を武器に出来る様、是非チャレンジして下さい。

 HOYA()八王子工場は取り組んでまだ日が浅い。認証取得に恥じないようこれからも努力していく所存であります。