グリーン購入の企業事例
| 日程 | 平成11年9月2日(木) 14:00〜17:00 |
| 場所 | 東京都食品健康保健組合 |
| 講師 | 清水 きよみ氏 (東京ガス株式会社 環境推進グループ 副課長) |
分科会の風景
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清水 きよみ氏 東京ガス株式会社 |
| 今の時代何も買わずに日々の生活を送ることは出来ません。何か買物をする時に品質、機能、価格、安全性等を考えて買っていると思いますが、それ以外に環境という観点を入れて買うことがグリーン購入です。現状では、環境のことだけ考えて物を買うということはありえませんが、環境にもいいし、コストも下がるし、機能もいい、品質もいいというような商品がこれからは増えていくのではないでしょうか。「環境」という言葉が、物を買う側にも、作る側、売る側にも基本の柱に入るのがこれからの流れだと思います。 当社は、首都圏を中心に約850万件のお客様にガスを供給する会社で、社員は約1万2千人います。エネルギー産業の一翼を担う企業として、「環境」を経営の最重要課題の一つとして位置づけ、原料の選択から製造・輸送・燃焼の全てに環境保全に最善の技術・システムを導入することに努めてきました。21世紀に向けて、企業市民としても環境負荷低減に貢献することや、社員一人ひとりが、地球市民としても環境にやさしい行動をすることが望まれます。 東京ガスでは3年程前から環境にやさしいオフィス生活を送るための「環境にいいことをはじめましょう」運動をしています。その3本の柱は@グリーン購入のすすめ A廃棄物対策とリサイクルの推進 B省エネルギーです。 グリーン購入を導入した目的は2つあります。ひとつは、循環型社会の形成に寄与することです。大量生産・大量消費・大量廃棄型のライフスタイルを見直し、循環型の持続可能な社会を形成するためには、大口購入者である行政機関や企業が、組織として率先して「グリーン購入」を進める必要があります。2つ目は、社員の環境意識啓発のためです。社内で日常的に使うボールペンや消しゴムなどの事務用品を環境にやさしい物にすることは、社員がその商品を購入する時、使う時に、環境について考えるきっかけを与えます。当社では、事業活動から出るポリエチレン製ガス管の廃材をリサイクルした製品をグリーン購入の品目に入れていますが、自社の廃棄物の再生品ということで、この施策の推進につながっています。 社員の環境意識啓発はなかなか難しい問題ですが、毎日使うボールペンやファイルが自分の会社のガス管をリサイクルしてできたものとなると、こんな環境対策もあるのかと意識もだんだん変わってきます。そういう意味もあって、購買価格は何十円の世界が環境にやさしい商品がすぐに買える購買システムを整えました。グリーン購入についても、ISO14001の環境マネジメントシステムと同様、Plan→Do→Check→Action→継続的改善、の流れに沿って行っています。各職場での実施状況については、当社の環境監査制度である「エコチェック&レビュー」によりフォローしています。 グリーン購入を行うにあたっての課題ですが、グリーン購入ネットワークの調査によると、1番目に環境によい製品は値段が高いんじゃないか。2番目に企業でやろうと思っても組織体制が無いので、独りでがんばろうと思ってもできない。3番目に個別の商品情報が手に入らない。環境以外のセクションの理解が得られない。購入法方が困難であったり、手間がかかるといった悩み事が出てきます。値段はメーカー側の努力もあり、事務用品レベルのものでは価格に大差はありません。情報も数年前はほとんどなく、集めるのが大変でしたが今はインターネットを使ったり、各メーカーさんの環境に良い商品だけを集めたパンフレットを見比べたり、いくらでも得られます。 組織体制の問題も一斉に出来なくても可能なところからやってみるということです。むずかしく考えることはありません。ボールペン一本買うところやコピー用紙に再生紙を使うなど、1つずつ出来るところからからやってみましょうというのがグリーン購入を進めるポイントです。 当社でも、はじめから一斉にうまくいった訳ではありません。例えば、ガス管をリサイクルして作った書類ファイルでも、最初はかっこ悪いなどいろいろ意見がありました。これにお客様への提案書類入れて持っていくと、営業マンがどんどん使ってくれるようになりました。 グリーン購入は、「生産者」として、「企業や官公庁の購買側」として、また「個人消費者」として、どの立場からでもすぐに取り組むことが出来ます。現代社会では、物やサービスの購入なしに経済活動や暮らしは成り立っていきません。グリーン購入を大きな流れにし、一緒に循環型社会を構築していきましょう。 |
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質疑応答 |
| 谷口氏:機密書類はどのように処理されているのか。 清水氏:本社内では以前は各フロア−にシュレッダーがあったが使用禁止にし、鍵のついた大型書類受けに集めそのまま製紙工場に持ち込んでいる。事業所では日にちを決め集めて、製紙工場に持っていくというスタイル。 山谷氏:リサイクルの輪というと、余ったガス管の切れ端からファイルを作るというのはちょっと違うのではないかという気がした。パイプの切れ端からファイルを作るというのは非常に良いことだが、今度そのファイルから何が出来るかというと、せいぜい粉砕して固めて廃棄物になる。結局リサイクルの輪にならない。そのファイルを作るリサイクルというのも、常に一つ一つレベルの下がった段階のリサイクルでしかない。 清水氏:おっしゃる通りです。ガス管がまたガス管になるのが一番良いが、一度溶解すると段階が低くなってしまうのでそれは無理。ファイルやボールペンは使い終わった後に現状では回収をしていないので、長期使用してくれれば良いが、燃えないゴミになってしまうというのは事実。牛乳パックのリサイクルも、新生のパルプをいきなりトイレットペーパーにするのはおかしいという意見もある。もっと何段階もやって、雑誌みたいなものをトイレットペーパーにした方が良いという訳です。 山谷氏:ガス管は鉄の方が良いのではないかと思った。鉄ならばもう一回鉄として、ガス管にはならないがリサイクルできる。 清水氏:長期使用という意味では、ポリエチレン管の方が腐食しないので長く使えるし、耐震性もあります。 室原氏:リサイクルとして難しいのはプラスチック。結局埋めるか、RDFにしてサーマルリサイクルに持っていく方法というのが、しょうがないが今与えられた技術の中ではベストかと。鉄だとくるくると輪が回るが、プラスチックだと落ちて落ちて落ちてというようになるので、完璧にリサイクルの輪を作るというのは難しい。最後は埋めるか燃やすか、どうせ燃やすならサーマルリサイクルが、というのが今プラスチックの課題。もちろん解決する方法はあると思うが、ものすごくコストが掛かる。 薄氏:燃料にするという目的のリサイクルの中でRDFとか作っているが、それを埋めているというのが現状。皆さんには減溶化しますということで、中間処理をして燃料を作っているが、その燃料が売れない。RDFが入っている原材料に問題があるから使えないと。そういうことを良く耳にする。 薄氏:大手さんはグリーン購入というのはある程度出来るが、中小零細の小さな商店街とかは大変難しいということになるか。 清水氏:一概には言えません。スーパーの袋の例ですが、外国のスーパーでは袋は有 料のところが多い。自分で袋を持っていくのが普通です。何で日本でやらないのかと消費者団体が言うと、大手のスーパーは、袋を有料にするとサービス低下と言われ、売上が落ちてしまい自分のところだけ出来ないと言う。横並びで一斉に始めたら良いのではと言うと、問題は中小のスーパーさんで、環境どころでないといって足並みが揃わなくて出来ないらしい。大企業は環境に熱心という見方はある意味正しいかもしれないが、消しゴムやボールペンのこと等は、買うときに考えればすぐできることだから、やれるところから一歩ずつやっていければいい。環境どころでないと言っている前に買うときに製品変えるだけでいいはず。環境はお金もかかるし、そこまで気がいかないと思ってしまっている。早稲田の町内会の例では、空缶を入れると町内会で使える商品券が出てきたリして、環境をキーワードに町内会が活性化している。工夫次第でいくらでも出来ると思う。 薄氏:ということは企業の姿勢ということですか。 清水氏:そう思います。 山谷氏:逆に中小企業の方がトップダウンで動くので、東京ガスさんのような大企業がやるより上手く成功するのではないかと思う。ただその時にどっちが高いか安いか、最後はコストの比較というのが多いと思う。 清水氏:省エネでもグリーン購入でも環境にいいことで、コストダウンになることから始めればうまくいくと思う。大企業の難しさという意味では、1万2千人も社員がいると一人ひとりに伝え理解してもらう手間は大変。例えば省エネ月間に暖房のかけすぎは止めましょうとか言っても、なんでガス会社なのに冬に寒くしなければならないのだと文句を言う人がいたり難しい面もありますが、社員の環境教育も地道にやっているところです。 |
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