First Info News Vol.24(1999.03.17日号)
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1999.03.17 Vol.24
First Info News
by First T.Sasaki
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「弥生 三月 今日私達は・・・」卒業式シーズンになると、この答辞の言葉
を思い出します。加えて、このところの暖かい陽気で春の到来を感じています。
もうすぐ、お花見です。今年は「だんご3兄弟」のヒットで、だんごの売れ行き
は増大するのでしょうが、私はだんごより酒がいい。 佐々木
****** M E N U ***************************************************
■01 : 家電チェーンで売られる500ドルパソコン
■02 : オークランド新市長の武器はインターネット
■03 : 遅まきながらインターネット活用が前面に出てきた各省庁の教育政策
■04 : 月額3500円でインターネットに常時接続
■05 : 携帯電話やPHSからのフリーダイヤル 4月下旬から全事業者で利用可能に
■06 : 今週のトピックス
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◆01: 家電チェーンで売られる500ドルパソコン (ASCII24 3/15)
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【500ドルパソコンは文具店で売っている】-------------------------------
文具スーパー・チェーンのOffice Depoが今、“499ドル99セント”のコンピュ
ーターを売っています(約6万円)。メーカーはemachines社で、スペックはAMD-K6
-2-333MHz、32MBのSDRAM、3.2GBのHDD、24倍速CD-ROMドライブ、56Kモデム。モ
ニターを付けると599ドル98セント(約7万2000円)になりますが、なかなかの仕様
ではないですか。
一方、大型電器店チェーンのCircuit Cityはちょっと前、モニター、プリンタ
ー付きで599ドル99セントのemachines社製モデルを広告に出していました。スペ
ックはCyrix M-II-300MHz(MMX 512KBキャッシュ)、32MBのSDRAM、2.1GBのHDD、2
4倍速CD-ROMドライブ、56Kモデムに加え、Proview 14インチ・モニターとLexmar
k Color Jetprinterが付きます。きのう行ったら、もう売り切れとのことで、1
週間くらいしたらまた新しいのが入るので来いと言われました。
emachines社のホームページを見ると、モニター付きで499ドル98セントという
システムもあるようです。
私が2年前に買ったペンティアム機に比べ、性能は2〜3倍で値段は2〜3分の1。
普通にワープロ、インターネット、ゲームに使うには十分過ぎる機械です(何し
ろ、2年前の機械でもまだこれといった不満はないのだから)。
パソコンの値段はさらに下がるでしょう。最終的には(モニター抜きで)2〜300
ドルになり、その辺で安定すると私は予測しています。根拠はテレビ、ビデオの
値段です。その辺の電器屋で3万円くらいで買ってくるのがパソコン。
去年の8月くらい、初めて500ドルを切るコンピューターを広告で見ました。行
ってみると、中国系のおじさんがやっている小さな店で、自分のところで組み立
てたコンピューターを売っていました。それが今は、巨大な文具スーパーチェー
ンが500ドルコンピューターを売るようになった、という違いでしょうか。
【クラスで家にパソコンがないのはウチの息子だけ】----------------------
パソコンの急速な低価格化の中で、アメリカのパソコン普及率(世帯当たり)は
毎年7〜8パーセントの勢いで伸び、昨年にはついに50パーセントを越えました(D
ataQuest社調査)。インターネットへの接続率はその半分の25パーセントになっ
ています。
息子の小学校のクラスメートの母親から、パソコン買いの相談を受けました。
「クラスで家にパソコンがないのはウチの息子だけ」。だから買わないわけには
いかなくなったと焦っていました。正確に調べたことではありませんが、確かに
そうなっている感じはあります。全米が50パーセントなら、シリコンバレーとマ
ルチメディアガルチをひかえたサンフランシスコがそれくらいでおかしくありま
せん。
編集部注:マルチメディアガルチとは、ハイテク企業が数多く集まっているサン
フランシスコ市内の一角を指す言葉。場所はマーケット通りから数ブロック南東
に下ったところで、元は倉庫街だった。家賃が安くしかも都心に近いことから、
スタートしたばかりのベンチャー企業が集まっている。近年は再開発も進み、ZD
NNなど有名企業が入居したオフィスビルも増えてきた。
アメリカでは1〜2年後に、3万円でパソコンを買ってきて、月5000円で1.5Mbps
の高速インターネットを使う(ADSL、ケーブルモデム)、という環境になるでしょ
う。
一方、地元の新聞に「アメリカに進出している日系パソコン企業が、軒並み振
るわないのはなぜか」という新聞記事が出ました(“Why Japanese Haven't Crac
ked U.S. PC Market”『San Francisco Chronicle』紙、'99年2月5日付け)。い
ろいろ原因を挙げた中に、“パソコンがコモディティー(日用商品)化した”とい
う商品コンセプトの変化に追い付いていない、という指摘がありました。なるほ
ど、と納得。そういえば、日本では今でも、さっそうとしたお姉さんやお兄さん
が最新鋭マシンを使うという大変きれいなイメージ広告が多いです。アメリカで
は、「これとこれとこれと合わせて(組み立てて)いくら、どうだ」といったバナ
ナのたたき売り式のパソコン広告が多いです。
【毎日4000台以上も売れる無名パソコン】---------------------------------
こっそりあなただけにいい取材ネタを教えます。パソコン低価格化の台風の目
になっているeMachines社。日本のメディアは、「安い安い」という話は見落と
す傾向がありますから、これはいい狙い所です。
昨年8月シリコンバレーのフリーモントで設立されたeMachines社は、11月に低
価格パソコンの販売を始め、最初の6週間で18万台を売り、12月にたちまち全米
第6位の販売台数を記録しました。アップルのiMacに匹敵する販売ピッチですが
、iMacほど過熱しては取り上げられていません(日本ではほとんど無視?)。
しかし、見る人が見れば、これは「コンピューターの歴史でさらに大きな役割
を果たし得る」(『Boston Globe』紙)とのことです。今までのほぼ半額という価
格破壊、購入者の約半数がパソコン新規購入者という市場拡大効果など、パソコ
ンの社会的意味に大きな変化を起こすと言われます。アップルのiMacの成功もパ
ソコンの庶民化、日用品化の中で起こったことでしょう。「日用品ならかわいい
アクセサリーがいいじゃん?」。これを、再び同社の気品高い孤高路線への復帰
に結び付けると、元の木阿弥。
eMachinesは、今年の第1四半期に30万台を売る予定で早くも黒字を計上する見
込み。今年中に200万台のパソコンを売り、10億ドル(約1200億円)の収入を上げ
る計画とのことです。
eMachines社は韓国系企業。パソコン本体は韓国のコンピューター会社、TriGe
m Computerの工場で組み立てられ、モニターは韓国の有力モニター会社KDS(韓国
データ・システム)社から供給されています。韓国で閑呼鳥が鳴いていた工場が
フル回転しはじめ、不況脱出効果も期待されています。
eMachines社長のStephen Dukker(ステファン・ダッカー)氏はコンピューター
大規模チェーンでの経験が長く、販売の神様(グールー)と言われた人。eMachine
s低価格機も大規模コンピューター・事務機器チェーン(Best Buy、Office Depo
、Costco、Circuit City、Fry's Electronics、Micro Centerなど)を中心に販売
されています。「ハンバーガーのようによく売れる」ので商品の回転がよく、ま
た、大きな買物ではないせいか返品率も低く(通常なら10〜12パーセントのとこ
ろ、4〜5パーセント留まり)、販売上さまざまなメリットが出ているそうです。
【パソコン誌の評価はどうだ?】------------------------------------------
最近の地元コンピューター誌『Computer Currents』が、低価格パソコンの比
較特集をしました(『Computer Currents』誌、'99年2月9日号)。モニター、プリ
ンター、ソフトその他一式そろったフルシステムの比較ですが、638ドルのeMach
ines機を、1198ドル、1048ドルのコンパックやヒューレット・パッカード(HP)の
“低価格機”と比較しています。何だ、この雑誌はここまで大口広告主にゴマを
するのか、と思いましたが、読んで誤解が解けました。
「これは実は、まるで勝負(コンテスト)ではなかった」「eMachinesの『eTowe
r 333c』の安さ、品質、機能、性能のコンビネーションは抜群」、「HPやコンパ
ックの約半分の値段にすぎないにもかかわらず、同じような『箱から出してすぐ
使える』快適さを提供し、さらにセットアップシート、読み易いマニュアル、色
コード化されたポート、適合したモニターとCPUも完璧だ」などなど。何のこと
はない、eMachinesの一方的ベタぼめ記事でした。《在米ライター 岡部一明》
[米eMachines社] http://www.e4me.com/
佐々木談
この記事と同じ日に、299ドルパソコンがアメリカで発表になった。日本でも
ソーテックなどが10万円をきったパソコンを出し始めている。2台目のテレビを
買うかパソコンを買うか、迷う日がもうすぐ来る。
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◆02: オークランド新市長の武器はインターネット (HOT WIRED 3/15)
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ジェリー・ブラウン氏は、政治、環境、精神性などのビジョンを示してきたこ
との方が有名かもしれないが、テクノロジーにも、懐疑的であるにせよ常に鋭い
関心を向けてきた人物だ。
1970年代にカリフォルニア州知事を務めていた当時、ブラウン氏は科学とテク
ノロジーの分野で大胆な計画をいくつか立てた。実行には至らなかった『カリフ
ォルニア州宇宙計画』もその1つだ。それゆえブラウン氏は、先頃亡くなったシ
カゴの辛辣なコラムニスト、マイク・ロイコ氏によって『月光知事(Governor Mo
onbeam)』とあだ名され、その後何年もこの名で呼ばれることになった。
昨年秋にオークランド市長に選ばれた現在のブラウン氏が胸に抱いているのは
、もっと地上的でリアルタイムな計画だ。バークレー、サンフランシスコ、シリ
コンバレーといった成長を遂げるハイテク産業の中心地に囲まれたオークランド
市に、活気を取り戻そうというのだ。
オークランド市にはすでに2000を越えるハイテク企業があり、通信技術の新規
事業を支援するプロジェクトも存在している。ブラウン氏の執務室と市の中心部
一帯の地下には、1980年代に米パシフィック・ベル社によって敷かれた光ファイ
バーによる通信網が広範囲に張り巡らされている。ブラウン氏は、これらの地下
に埋まったケーブルがさらに多くのハイテク産業をオークランドに呼び込み、こ
こ数十年オークランドで続いている経済不振を脱するきっかけになればと期待し
ている。
ブラウン氏はわれわれのインタビューに答える前に、ワイアード・ニュースの
ウェブサイトをしばらく閲覧し、ヘッドラインを声に出して読んだり、検索ボッ
クスに自分の名前を打ち込んだりした。
(W・N=ワイアード・ニュース、J・B=ジェリー・ブラウン)
(W・N):携帯電話、ポケベル、パームパイロットといった装置がどんどん人々のポ
ケットや生活に進出している昨今ですが、こうしたものがわれわれの通信方法に
どのような影響をもたらしているとお考えですか?
(J・B):それらは境界を破壊します。場所や実質的な空間というものをまさしく
打ち壊すものです。だから、あなたがどこにいようと、そこはオフィスになるの
です。ガールフレンドと浜辺に寝そべりながら、オフィスの仕事もこなせるわけ
です。以前はひとたび敷居をまたいでプライベートなくつろぎの場所である自宅
へ入ってしまえば、それで仕事は終わりでしたがね。でも今は、そういった考え
方は確実に主流から外れたものになっていますよ。
(W・N):何か特定のテクノロジーあるいは科学の分野に、より多くの投資が行な
われるようになることを期待していらっしゃいますか?
(J・B):私がテクノロジーに期待しているのは、地域社会をより強いものにし、
地域の安全を高めるといった重要な問題に対処することです。オークランド市は
大きさにして約148平方キロメートルですが、その57の地域毎に、犯罪防止機関
があります。私はそうした機関が情報交換をするための通信手段として、インタ
ーネットが使われるようになればと考えています。
次にインターネットに期待するのは、教育ツールとしての役割です。ホームス
クール[学校ではなく、親が自宅で子供を教育する運動]を支援したり、(さらに
は)もっと脱中心的で多様な学習のためのネットワークや環境を支援することも
期待しています。
私は、『マインドストーム』[1980年刊]の著者、セイモア・パパートが好きな
んです。彼は、生徒や子供向けツールとしてのコンピューターの役割に関する真
のビジョンを持っています。コンピューターは、画一化された学習を行なうだけ
の融通の利かない機械ではなく、子供の心を広げ、それを具現化するためのもの
だということですね。だからこそ、私はその可能性を追求したいのです。
これは共通テストの時代とは異なるものです。米国中のすべての学生が同じ日
に同じような場所で同じ試験を受けるというのは、きわめて窮屈なかたちに作ら
れた制度ですよ。
現在のコンピューターの能力を考えれば、子供たちはもっと多種多様なことに
コンピューターを活用できるべきです。数学の概念を考えるのもいいし、自分の
アイデアをより具体化するのに使ってもいい。ありとあらゆることができます。
ただし、その内容は、子供たちが、みずからの創造性に突き動かされて決めて行
くようになるべきで、委員会のようなところで決めることを減らすべきです。委
員会というのは、究極的には官僚主義で凡庸な機関ですからね。
[日本語版:高橋朋子/合原弘子]
佐々木談
子供たちのコンピュータの活用は、探求心と創造力から奥へ奥へと引き込まれ
ているようである。われわれ大人も、忘れてしまった探求心と創造力を持たなけ
ればいけないと思う。
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◆03: 遅まきながらインターネット活用が前面に出てきた各省庁の教育政策
(ASCII24 3/15)
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(社)日本教育工学振興会(JAPET)は11日、15回目となる“情報教育政策セミナ
ー”を開催した。今回は“情報社会とあすの教育”と題して、4つの省庁からパ
ネリストを招き、教育の情報化の現状と今後の施策について講演会を開催した。
【インターネットを軸にした“ポスト100校プロジェクト----通産省】
通商産業省機械情報産業局の萩原崇弘氏は、同省が文部省と協力して進めてい
る“ポスト100校プロジェクト(仮称)”について語った。通産省では過去、“100
校プロジェクト”('94年〜'96年)、“新100校プロジェクト”('97年〜'98年)を
手掛けた。全国から約100の学校を選定し、インターネットを利用した教育学習
の実践活動を試験するプロジェクトを運営してきた。
現在、両プロジェクトを通じて得たノウハウを生かし、新たなプロジェクトが
発足している。この“ポスト100校プロジェクト”(仮称)は、これからインター
ネットに接続する学校が円滑に環境を整備できるようにサポートすること、イン
ターネットに接続している学校同士のコミュニケーションする場をコーディネー
トすること--といった計画からなる。
文部省では、年間1万校がインターネット接続環境を整備するという計画を立
てている。通産省では、この計画をいかに支援するかについても検討している。
教育の情報化を推進したり、共同で研究を進めるための場を提供したりすること
も予定している。萩原氏はこねっとプラン、メディアキッズなど、民間レベルの
プロジェクトとの連携も視野に入れ、計画を推進していくと語った。
【'99年秋口にも教育向けインターネット割引----郵政省】
郵政省からは電気通信局電気通信事業部から久保田誠之氏が参加した。教育現
場におけるインターネット利用を推進するための、接続コストや高速インフラの
開発に対する取り組みについて説明した。郵政省では“子どもたちがもっと自由
にインターネットを活用できる環境づくり”というコンセプトを掲げた。行政、
学校、企業、地域社会が一体となって、教育機関でのインターネット利用推進を
サポートする体制づくりを目指している。
そのための具体的な対策として、インターネット上のコンテンツの充実、違法
、有害な情報への対処、学校におけるインターネット利用体制の充実、学校への
支援体制の強化、通信回線の高速化、通信料金負担の軽減--などをあげている。
これらの中で、光通信、DSL、CATVなど多様化する高速アクセス回線を組み合
わせたネットワークにに関する研究を重点的に進める。通信品質を劣化させずに
管理する技術や、ギガビットクラスのネットワーク構築、次世代インターネット
の研究などである。
現在、野田聖子郵政大臣の音頭で日本電信電話(株)のインターネット接続料金
値下げも進めている。早ければ'99年秋口に教育機関向けに価格を押さえた料金
プランが登場するという。
また、違法、有害コンテンツの排除については、フィルタリングシステムの開
発や、研究チームの発足などの計画を進めている。
【公共施設、CATV局と高速ネットワーク接続----自治省】
自治省では、教育の情報化による地域の活性化、振興までを視野に入れた施策
を計画している。同省大臣官房情報政策室長の井筒郁夫氏が、教育の情報化と地
域振興のあり方について語った。
井筒氏はまず、教育機関の情報化によって、地域社会が受けるメリットを説明
した。2001年までにすべての学校をインターネットに接続するという文部省の計
画が実現すれば、情報ネットワークが教育機関を中心に構築されることになる。
これにより、遠隔教育や、在宅ケアなど、地域社会全体の情報化のためのインフ
ラ基盤が整備される。
自治省ではこの計画を実現するため、同省と全国の公共施設、各地域のCATV局
とを結ぶ高速ネットワークの構築を計画している。また、情報化をサポートする
人材の育成にも力を入れる。生涯学習の一環として地域住民が受講できるような
情報関係のセミナー、研修講座を設ける必要性を指摘した。
《報道局 白神貴司》
[日本教育工学振興会] http://www.japet.or.jp/
佐々木談
やっと日本でもお役所が動き始めた。しかし、官が動きはじめたのに、民が動
かない。遠巻きに眺めている企業は、まだまだ多い。
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◆04: 月額3500円でインターネットに常時接続
通信機械工業会が新ISDN技術を提案 (Nikkei COMUUNICATIONS 3/11)
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インターネットに低料金で常時接続するための画期的な技術が登場した。これ
は「IP over ISDN」と呼ぶアクセス回線技術。既存のISDN技術を使いながら,電
話会社の市内交換機をバイパスして約100kビット/秒の常時接続を可能にするの
が特徴である。
この技術は,通信機械工業会の国際競争力調査研究委員会が3月11日,検討中
のアイデアとして郵政省の「次世代ネットワーク構想に関する懇談会の検討部会
」の場で提案したものだ。通信機械工業会は通信機器メーカーなど250社以上で
構成する団体。試算では月額3500円の定額料金を示している。ダイヤルアップ接
続に甘んじている家庭やSOHOのユーザーには朗報である。
仕組みはこうだ。ユーザーが新仕様のTA(ターミナル・アダプタ)を設置し,
これと電話局の局内アダプタとの間にISDNのBチャネル2本を張っておき,常に12
8kビット/秒の伝送路を確保する。TAは電話を8kビット/秒のデータに符号化し,
ファクシミリの場合は14.4kビット/秒に符号化する。こうして電話とファクシミ
リを同時に利用しても,インターネット接続のために約100kビット/秒の伝送帯
域が使えることになる。局内アダプタは加入者交換機のユーザー側に置いて,電
話音声とIPデータを区別する。音声やFAXは交換機に,IPデータはインターネッ
ト網に振り分ける。交換機の手前でインターネットにバイパスさせることにより
安い常時接続が可能になる。
「IP over ISDN」という名称だが,実際にISDN回線を利用するわけではない。
コスト高の原因といわれるISDN交換設備を使わずに,TAと局内アダプタの間だけ
にISDN技術を適用するのがポイントだ。これが料金試算にも反映されている。同
委員会は試算例の一つを挙げており,アクセス回線部分の通信料金を月額1750円
と計算。これにインターネットのバックボーン料金が加わるが,この試案例では
ダイヤルアップ接続並みの月額1750円を仮定しており,合計3500円で済むという
ものである。
新しいTAは,既存のISDN用TAにDSP(digital signal processor)とASIC(特
定用途向けIC)を一つずつ加える程度で実現できる見込みで,製品化に時間がか
かることはなさそうだ。機器価格も,大量に出回ればISDN用TAと大きく変わらず
に済むと見られる。
家庭向けのアクセス回線技術として,同じように銅線ケーブルを利用するxDSL
(digital subscriber line)技術が注目されているが,「IP over ISDN」ではN
TTの回線が光ファイバ化されても引き続き利用できるなどの長所がある。(中川
ヒロミ)
佐々木談
安く、いつでも使えることはSOHOの私も大歓迎。3500円は夢の価格。この価格
なら新しいTAを買うことぐらい・・・。今あるTAは誰かに売らなければ・・。
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◆05: 携帯電話やPHSからのフリーダイヤル 4月下旬から全事業者で利用可能に
(Nikkei COMMUNICATIONS 3/10)
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NTTは3月10日,「0120」から始まる着信課金サービス「フリーダイヤル」を4
月下旬から移動通信サービスに対応させると発表した。これによって,NTTドコ
モ,セルラー電話,日本移動通信,J-フォン,ツーカー,デジタルツーカー,DD
Iポケット電話,アステル−−の全携帯電話およびPHS事業者の端末からフリーダ
イヤルが利用できるようになる。NTTドコモは,衛星携帯電話および衛星船舶電
話からの通話も含む。NTTドコモの航空機電話や日本イリジウムの衛星携帯電話
からは利用できない。
すでに加入電話のフリーダイヤル契約をしている企業なら,特別な月額使用料
はかからない。ただし,どの移動通信サービスから着信させるかを申し込む必要
がある。着信させる移動通信サービスは,携帯電話,PHS,衛星携帯電話の3種類
から自由に選択できる。
通話料は,携帯電話が平日昼間1分50円(全国一律),PHSが同20円(区域内・
隣接区域内・20kmからの通話),衛星携帯電話が同140円(全国一律)。これら
の料金は,発信側の移動通信サービス事業者に関係なく一律である。
携帯電話から利用できる着信課金サービスとしては,これまでもNTTドコモの
独自サービス「フリーナンバー」(0120-90XXXX)があった。しかし,利用でき
るのがNTTドコモの携帯電話に限られることなどから,あまり普及していなかっ
た。またJ-フォン・グループは,情報サービスの一種として「フリーダイヤル接
続サービス」を98年12月から提供しているが,携帯電話の通話料が必要だった。
(安井 晴海)
佐々木談
先日、公衆電話がない喫茶店で、携帯電話からフリーダイアルに電話をしてか
からなかった。実は知らなかったのです。携帯からかけられないことを・・。
4月下旬といわず、今すぐかかるようになって欲しい。
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◆06: 今週のトピックス
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★マリリン・モンローの公式サイト“Dear Marilyn”開設 (ASCII24 3/15)
(株)エイチ・ツー・オーカンパニーは、マリリン・モンローのファンのための
ウェブサイト“Dear Marilyn”を開設した。同サイトは、米Estate of Marilyn
Monroeと米CMG Worldwide社の公認を得て開設されたマリリン・モンローの公式
サイトで、マリリン・モンローに関する情報のほか、日本で入手できないグッズ
やファンクラブ・オリジナルグッズの販売も行なう。《報道局 佐藤和彦》
[Dear Marilyn] http://www.iijnet.or.jp/mmofc/
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★インクジェット対応官製はがき、4月1日に全国の郵便局で発売
「これからは、年賀状だけでなく、季節の挨拶状や引越し案内もパソコンで作
れます」---郵政省は、インクジェット・プリンター用の通常はがき(50円)を9
9年4月1日から全国の郵便局で販売する。はがきの裏面に、インクのにじみを防
止するガラス繊維(シリカ)をコーティングして、インクジェット・プリンター
の印刷に対応したもの。名称は「インクジェット通常はがき」。
[ゆうびんホームページ] http://www.postal.mpt.go.jp/
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★東急ハンズ池袋店、チラシをダウンロードして注文できるウェブサイトを開設
(ASCII24 3/15)
(株)東急ハンズが運営する東急ハンズ池袋店は、同店が一般に配布しているチ
ラシをダウンロードして、商品の注文が行なえるウェブサイト“チラシ de SHOP
”を開設した。PDFファイルとして配布されるチラシは、商品にコード番号が振
られており、この番号を入力することで商品の注文が行なえる。代金は商品が到
着したときに支払う。《報道局 佐藤和彦》
[東急ハンズ] http://www.tokyu-hands.co.jp/ikebukuro/
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★映画ファン必見!「STARWARS EPISODE I」最新予告編が閲覧可能に
(Biztech 3/16)
北米で99年5月19日に公開される、スターウォーズ・シリーズの最新作「STAR
WARS EPISODE I」の最新予告編がインターネット上に公開された。米Lucas Film
と米Apple Computerが、3月11日からテレビや劇場で公開されている予告編の最
新版をQuickTime形式の動画像データとして公開したもので、LucasとAppleが共
同運営しているSTARWARS専用サイト(URLは、http://www.starwars.com/)もし
くはAppleのサイト(http://www.apple.com/)からダウンロードできる。
今回公開した最新予告編は本編の主要な各場面から選んだカットをつなぎ合わ
せて作った作品。本編全体の流れを一望できるのが特徴だ。すでに公開済みの予
告編も同じサイトからのダウンロードできる。主人公であるAnakin Skywalkerの
生い立ちに焦点を当てた前作と最新予告編と合わせて見れば、情報通になれる。
ただし、予告編を閲覧するには注意が必要だ。所要時間は両予告編ともに2分3
0秒ほどで、画面サイズによりファイルを3種類ほど用意しているが、最小のもの
でもデータが10MB以上と大きい。ダイヤルアップで接続しているユーザーは、ダ
ウンロードに相当時間がかかることを覚悟しておく必要がある。
予告編の閲覧に必要なのはWWWブラウザーと「QuickTime Viewer」のみ。Quick
Time Viewerは、Appleのサイトから無償ダウンロードできる。QuickTime Viewer
のWindows版は自己解凍形式ファイルが6.8Mバイト。これもダウンロードにはそ
れなりの時間がかかる。(佐藤 康朗)
★佐々木
10MBのデータは大きすぎる。時間と費用(電話代+接続料)に勝る欲求がなけれ
ば、おいそれとクリック出来ない。
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ご意見・ご感想をお寄せください。
次号は、99年3月24日の予定です。
◆「配信希望」「配信中止」は、first@po.mmm.ne.jp
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First ファースト 発行責任者: 佐々木 孝
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