クラプトン発掘調査隊 No.6                             戻る

No.6 『フジTVニュースJAPAN インタビュー』 より
                  1998年3月6日深夜

番組内で、3/10世界同時発売のエリック・クラプトンのニューアルバム『ピル
グリム』のプロモーションビデオとインタヴューが放送されました。画面はモノク
ロで、バックにはこのアルバムの一番最初のナンバー『My father's eyes』が流れ
ていました。

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エリック:ここ何年もの間私は、人生と言うものを深く見つめなおして来た。その

結果、私は何事も甘く見ることが出来なくなり、自分の行動や発言には気を使うよ

うになった。それは人生の責任と言うものを自覚しているんだ。

ナレーター:そうは言っても世界中のファンの中には恋に破れたせつなさや、ある

いは冴えたギタープレイを期待するファンだっているとは思わない?

エリック:成長とは未開の地へ足を一歩踏み入れる勇気だ。今の自分に嫌気がさし

ても、何も変えたくないというパラドックスなんだ。

ナレーター:て事は今回の試みは自分のため?って事かな。

エリック:つまり私自信もそういう経験を人生の中でして来たんだ。僕も趣味をし

たり予定通りの日々を過ごすこともある。でもそのままでは、成長はない。成長す

るには失敗や危険はある、でも挑戦しなくてはならない。だから最も幸せな瞬間は

自分の作品を聞き直した時だ、なぜならそれは自分の全てをさらけ出しているから

なんだ。

ブルースは僕のすばらしいルーツだ。それがレゲエやジャズだとしてもルーツは必要だ。

ルーツとは帰るべき家だ、ブルースという家から旅に出て異郷に地で開拓しながらも、

自分の居場所が分かっているんだ。ブルースはジプシー音楽やインデイアン音楽、

そしてフラメンコやR&Bの中に生きている。ある種変装した格好で世界に存在しているのが

わかっているからね。

ナレーター:ところで多くの名声と賞賛があって、この上さらに求めるものがある

とすれば何か?

エリック:私の13歳になる娘の将来が無事か確認したいと思っていて、この世界

は攻撃的で尊敬の念に欠け、敵対する事が重要になっている。そんな時代が変わっ

て行くことを、願ってやまないね。

ナレーター:自分自身の将来は?

エリック:人生の中でやりたくない事を続ける必要はない、結果は終わりが来てみ

ないとわからないね。

開拓者のような人生
まだ見ぬ場所を
まだ見ぬ自分を探す
開拓者であり続けたい。


                                        エリック・クラプトン



クラプトン発掘調査隊 No.7                           戻る


No.7 「クリスティーズのPress Release」の抄訳より

ロックフェラー・センターの一画に、開始2時間前から、ロックコンサートのよう

な長い行列ができた。会場は1000人以上のバイヤーで満員。そして、80台の電話。

30日のMSGのコンサートのリハーサルのため、会場には来られなかったECはオークシ

ョン後、次のようにコメント

「信じられない。ほんとうに圧倒されてしまった。オークションが、こんなにうま

くいくとは思っていなかった。これに参加してくださり、こんな忘れられない機会

を与えてくださった、みなさんにお礼を申しあげます。また、この売り上げのおか

げで、無料で治療を受けられるようになった患者に代ってお礼申しあげます」

かのブラウニーがLaylaの1st コードにのって現れたとき、ファンは立上り、ギター

にお辞儀をした。それにインスパイアされたバイヤーたちは20万ドルからスタート。

会場の入札者と電話による入札者のバトルの結果、ブラウニーは電話の向うの何

者かの手に……。

電話で入札したマイケルJ・フォックスは、どうしても欲しかったという1949

Gibson-125 $368001930s National Duolian $42500を落札。

「Mr. Claptonを尊敬してるし、この機会はどうしても逃したくなかった」

とコメント。


クラプトン発掘調査隊 No.8                              戻る
No.8 「ECがオアシスを嫌うわけ」 98、5、
               「Guitar」マガジンより           
             

*プロデイジーとかレデイオヘッドが好きだと言うことでしたが、ブイット・ポップ

はどうですか。オアシスやスパイス・ガールは?

EC:(引用)僕が耐えられないのはあの盲目的な熱狂だよ。多くの新しいバンドに

対して、”裸の王様”状態のことがまかり通っているのにはちょっと驚くね。

特にどこのバンドとは言わないし、言う必要もないだろう。

みんな信じられないくらい過剰な賞賛をもらっているが、ぼくにはどうも

それほどのものには思えないんだ。

”彼等もそこそこ悪くないけどそれほど素晴しいわけじゃない”って誰かが

言い出すだろうと思っているのに、誰も口にしない。

誰も彼も、これ以上素晴しいバンドはないとあげたてまつるばかりだ。

でも、本当は懐古趣味なだけで盗作もたくさんはびこっている。

ぼくとしては、なんだか腹立たしく恨めしい気がしたり、心中穏やかでいられない

気分なんだ。だから、自分の聞きたい音楽への注意を向けるわけだよ。

連中の音楽自体、大したことはない。悪くはないが、正直言ってそこそこだ。

彼等自身はとても尊大な態度をとり、それわ駆り立てているのがパブリシテイ・・・

・・つまり、メデイアじゃないのかい?

この国は呪術師に操られていて、誰も何も言おうとしないで、誰もがのめり込んで

いる。ぼくは自分が住んでいる国の価値観に唄がいを持つね。

だから、じぶんで選択をして自分のやりたいようにやるだけさ。

そんなわけでぼくはもっと別なものを聴くよ。

*彼等があなたにとってビッグ・スターじゃないからですか?

EC:スターとかそういう問題じゃない。若さなんだと思う。若いということで尊大に

なっているが、それは危険なことだ。ぼく自身について言えば、僕はいつも年配の

人のものばかり聴いていた。僕の若い頃は、技術があり、経験を積んだひと、何か

をもっている人、そういうミュージシャンに興味を持ったものだ。若いバンドには

関心がなかったし、今後もないと思う。若さだけじゃないか、若くて新しいだけ。

でも、誰しもいつまでも若く新しいというわけにはいかない。若くも新しくもなく

なった時、それですべては終わるんだ。僕はそんな価値観のな中に信じんとして

出て行くのはどうかと思うよ。僕はそんな中に関わりたくない。僕なら気のきいたク

ラブを見つけて、ただプレイするだけだりうね。今みたいなレースには関わりたく

ない。

*では、あなたのこれからはどうですか。あとどれくらいプレイしたいですか?

EC:自分が楽しめるあいだはプレイしていたい。聴くのが楽しいと思える間はね。そ

れが一番大事なんだ。そう思える間はプレイしたいね。


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