42仕様の特徴のインレイ・ワーク
インレイによるエリックのサイン。
OOO−28ECにも同様に施されている。
さらに、トップのシトカ・スプル−ス材に注目!
目が詰まっている。 良質の材料である事の
証明。
オールド仕上げの濃い目のラッカー塗装。
指板のエボニ−材もとてもきれい。
湘南のericさんのギターのはなし
![]() OOO−42ECです。 ピントが合っていなくて残念です。 色合いを見る為の資料です。 各パーツは後日お見せします。 手前にちゃっかりいるのは、僕の末娘、13インチ・ビーグルのジュリアです。 アルファ・ロメオ・ジュリアからとってい ます。 代々アメリカン・チャンピオンの家系なんですが 育ちが悪くて・・・・。でも、可愛いからいいんです・おバカ でも。 |
MARTIN OOO-42ECと28ECの比較論 投稿者:
湘南のeric 投稿日:02月19日(土)09時20分03秒
さて、ここのボードのまじめなECファンの皆さんお待たせいたしました。講座を再開します。 壽組は教室から出て体育館で自習! ここでは、前と違って主催者s.layla.s.さんの性格に合わせて、おおざっぱな解説にします。 例えば生産台数なんかは千本単位、間違った事を書いてもすぐ後で訂正、またはシカト。 まあ、気楽に勝手に述べる事にします。 前回までの解説で、42ECと28ECとは形状ではまったく同じ。スペック上では材質は見かけ上42ECの方きれいな材料を厳選している事だけで違いは無いと述べました。 でも、決定的な違いがもうひとつありました。 トップの内側のブレーシングと呼ばれる構造材がスキャロップ・ブレーシングと言って、強度を保つ限界まで薄く谷型に削り取る加工を42ECのほうは施されています。 トップが振動しやすくするためです。 28ECに比べて当然強度は低くなりますが、鳴りは断然良くなります。 ハイポジションで弱く弾くと、まるで鈴の音のようです。 さらに、推定ですが塗装の厚さが日本仕様の28ECは本国仕様の42ECより2回ほど多く(14回)ラッカーが吹き付けられているようです。 これは、湿度対策だと思われます。 塗装で強度を補強するのです。 確かに僕のOOO-28ハカランダは日本仕様(スクエア・ロッド、ハカランダ材は日本仕様のカスタム・モデル)を見るとなんとなく、ぽってりした塗装の状態で明らかに厚めに塗ってある事が解ります。 塗装が薄いほうが鳴りがいいのは当然です。 今、ヴィンテージと呼ばれる年代の物は当時はもっと薄かったような気がします。 木目の凹凸がそのまま出ていました。 僕の’64 D-18 は長い年月に磨きこまれて塗装が薄くなった事を差し引いても、触った感触が木そのものの肌触りです。 28ECと42ECの鳴りの違いはこの2点の違いによって反映されます。 つづく・・・ |
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![]() 写りが暗くて残念です。 左が'92 OOO-28ハカランダ、 右が'68 OO-18Cです。 表面の色の違いは年の差です。経年変化が楽しめます。 大きさと形状の違いがわかるでしょう。 OOはOOOよりも 古くからあるモデルです。 |
MARTIN OOO-42ECと28ECの比較論 投稿者:
湘南のeric 投稿日:02月19日(土)11時53分09秒
二時間目の始まりです。 壽組の生徒は外に出て自習です!そこのおしゃべりさん! outsideに行って!(誰の事かわかっちゃうね) 初心に返って、このテーマは”何故エリックは最近28ECばかり使ってんの?”です。 42ECと28ECの違いはこれで解ってもらえたと思います。 ちなみに販売価格は42ECは$8,000(日本での定価はおよそ現地価格の1.7倍@110円)ただし日本ではカタログ上定価は存在せず、もし定価を設定すると160万円位になっていたと推定されます。 一方28ECは48万円で今でも生産されています。 参考までに、アンディーがサイドで使っているのがOOO-45で、日本では定価130万円です。 普通だったら、殿は家来より高いギターを使うもんだと思われるでしょう? でも、実際にはmartinはどれも品質が高く、グレードの違い(価格の違い)を音で聞き分ける事は出来たとしても、それをさらに文章で説明が出来るほどの違いは無いと断言できます。 まして、今回の日本公演のようにギターにピックアップを取り付け電気の力を借りるとなるとなおさらで、DとOOOの違いやギブソンとの違いははっきりと識別できますが、それが42か28かは識別不能です。 ギター本体の基本性能よりも、音質はアンプやスピーカーの違いが大きく作用してきます。 ただ、PLAYしていてどっちが弾きやすいか、気持ちよく弾けるかはやはり仕上げのいいアップ・グレードの方が優る事は明白です。 はい、ここで休み時間です。 |
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![]() ![]() 00042と00028 ![]() |
MARTIN OOO-42ECと28ECの比較論 最終回 投稿者:
湘南のeric 投稿日:02月19日(土)19時10分18秒
さて、3時間目です。 明日は雪になりそう。 雪が降るとなぜか忙しくなるので(ここは逗子なんだけどカマクラ作ったりするから)今日中に進めちゃいましょう。 壽組のみなさんも寒いからは中に入って! はい、合言葉は? 「・・・」ハイ! 前に解説しましたが、OOOの生産台数の変化、’92年のunpluggedの前と後の変化を覚えていますか? 以前は数本、0本の年もあったんです。 martinと言えばやはり主力商品はD-28で、コンスタントにスタンダードD-28だけでも年間5.000本は作っていますし、HD-28やボディ¥の長いSタイプも入れると一万本(すごくおおざっぱ)にもなります。 その中で、OOOの存在は影が薄かったのは事実です。 これまでにOOOをエリックほどに使いこなしたアーティストが居なかったからなのでしょう。 もともと、野外ステージでバンジョーの大音量に負けない音量を出すために工夫されたドレッドノウト・ボディーに対してOOOは室内向きにつくられています。 フラット・ピッキングよりも繊細なフィンガー・ピッキングに向いています。 特に、42EC,28ECのように、幅広のフュンガー・ボードとVシェイプ・ネックはチョ−キングや他の高度なテクニックを可能にしています。 ・・・これらの、OOOの特徴を最大限に引き出したPLAYを示してくれたのがエリック・クラプトンなんです。 unpluggedの成功で、42ECが461本作られ、その人気にあやかって翌年廉価版の28ECが発表。 ちゃんとしたデータはありませんが、ある記事によると発売後2年で3.000本も売れた、とあります。 さらに、それから2年がたち、昨年のエリック来日、ベスト版発売時のジャケットやポスターで大々的に28ECが起用され、それまで42ECの廉価版と言う位置付けから、エリックもちゃんと使ってる28EC・・・って具合に昇格したのです。 まして、公演時にも28ECをつかっての、あの名演奏!!! これらの複合的な要素が意図的に重なり(これはキャンペーン上手なmartin四世の仕業?)OOOをぐっと身近な存在にしたのではないでしょうか。 廉価版といってもスタンダードOOO-28が定価で35万円なのに対して、28ECは48万円もしますが・・・。’92年以前数本だった物が、最近ではたぶん2000本位にまで生産を増やしたのですから、エリックの影響はすごいです。 アーティスト・シグネチャ−・モデルとしてもmartin初のECモデルはその後につづく他のどのアーティスト・モデルをその人気と生産台数で圧倒しています。(他は4〜500本) ほとんどこれで,テーマの回答が出尽くしました。 テーマ”なぜ28EC?"の答えは・・・・ 1.エリックの最近のアコウスティック・ギターの演奏スタイルの変化による。 unpluggedt当時はみなさんご存知のように,ヴィンテージOOO-42をいたわるように、ほとんどフィンガー・ピッキングでLEYLAやold love のフラット・ピッキングの時でも、おさえ気味にひいていました。 それが、最近は大きなホールに対応してピック・アップを取り付け、ハードなフラットピックでガンガン弾く・・・今回の公演でやってくれた、change the worldのように・・・サウンド・ホールの周辺がピックの傷跡だらけ・・・ 強烈なチョ−キング・・・スキャロップ・ブレーシングの42ECではボディーがもたない・・・それに、俗世間的感想を入れると・・・42ECじゃもったいない・・・・(461本しかないし・・・) 28ECなら今でも作っている。 2.martin社の販売戦略上の作戦 42ECはchenge the world ジャケットにも起用されているが、あっという間に完売。 売りきってしまった42ECをいつまでもエリックが使っていたんでは28ECの販売につながらない。 28ECと42ECの音の違いはピック・アップを付けることによって、ほとんど差異が出ない。 だから、殿が28で家来が45でも、殿はかまわない。・・・・・このくだりはまったくの邪推ですが、真相もほとんどこんなものでしょう。 積極的に殿に28ECを使ってもらった事によって,事実こんなにも売れたんですから。 まとめると、エリックとmartin四世の共同作戦だったってことでしょうね。 さてさて、長−くなってしまいました。 付き合ってくださってありがとう。 これで終了です。 どんなに丁寧な解説書を百冊読むより、martinを1回でも弾けばすべて解ります。 あのすばらしさが。 (僕はmartinの回し者ではありません・・ギブソンもいいよー!!) |
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ネックの反りの防止は、諸説ありますが、やはり使わないときに
は弦を適当なテンションに緩めることにつきます。 べたべたに
緩めるのではなく、2回転分くらい。(細かくは各弦にもより
ますが省略) 湿度は50%前後が最適。 65%以上は要注意。 ケースの中にシリカゲルを入れ、(サウンドホール内にも) 定期的に電子レンジで乾燥剤の湿度を飛ばします。 室内は除湿して湿度をさげる。 乾燥時の方がやばいです。 真冬の暖房した室内は20%以下に なっていることがあり、加湿器で調整。 まあ、人間が不快だと思う環境はMartin君にとっても不快なん です。 AJだったら、反りは自分でもすぐ直せるからあまり心配しなく ても大丈夫。 むしろ、トップのブリッジあたりが、こんもりと膨らんでくる のが恐いです。 でもこれも腕の良いリペアマンなら治せます・ Martinはデリケートに作られていますが、普通に弾いている分 には丈夫で長持ちしますし、ちゃんと修理がききます。 これは良い楽器であることの証明です。 いつも大事に使ってあげることが一番のメンテナンスだと思います。 ・・・・またMartinほめちゃった・・・、ギブソンもいいよ! さとるさん Martin やったね! これでこのボードに来てる人で2人目。 Martin社の回しもんとしては会社に顔が立つ。 素材は違ってもMartin! スケールもOOOそのものだからいいよね。 出荷当時のチューニングはあくまで標準だから、ネック のそり具合、サドル(さとるじゃないよ)の高さ調整、ナットの 調整はちゃんとやったほうがいいよ。 この三ヶ所の調整をして 12フレットでオクターブ調整をするんだ。 たぶん今の状態では12Fを押さえると高音になっていないかな? これでは♯気味になって、弾いていて気持ち悪いよ。完璧に調整 が出来るといちランク上のギターを弾いている感じになるから是悲おすすめします。 僕も弦はダダリオが好きです。 前にもここで言いましたが、 Martinの弦もダダリオが作っているって聞きました。 ライトゲージは012です。 010ではOOOにとっては細すぎます。 ものたりないでしょう。 ミディアムまで張れる事にはなっていますが、OOOでは相当ダメー ジがあるので止めておいたほうがいいですよ。 僕の場合、気に入った曲が出来ると最初はCDを聞きまくり 一つ一つの音を正確に頭に入れる。 ソラで言えるように。 そのあと、タブ符を見ながら練習。 各パート毎にね。 ある程度できるようになったらCDとかけながら通しで遅れないようになるまで練習。 タブ符があれば出来たも同然って思わなきゃダメ。 塗装しちゃだめ!!! ブリッジ周辺の塗装の剥がれは、これは今のMartinはしょうがないんです。 程度は見ないとわからないけど、昔の工法は、トップ全面をピックガードを張りつけた状態で、逆にブリッジをつけない状態で全面塗装していたんです。 今は反対で、ピックガードを付けず、ブリッジの所は型抜きした紙を張って(目隠し)塗装しているんです。 だからブリッジの下は塗っていなく木の地肌のままなんです。いきなり地肌の周辺に塗装膜が出てくるので湿気のせいでめくれてくるんです。 これはある程度しょうがないですよ! 将来ブリッジを下げるとかの加工が必要な時についでにめくれている部分をなめらかにするくらいでいいのでは? 隠す加工をするとかえって目立っちゃいますよ。 塗装は厳禁。 時間が経つとその部分だけ違ってきちゃって目立ちます。 今のMartinはみんなそうだから、気にしない気にしない! 弾いてナンボなんだから、見かけはどうでもいいの。 全塗装はもってのほか。 トップを全塗装するほうがダメージが大きいです。 サイドやバックとの違和感もでるし、全塗装は思っている以上にギターの性格が変わりますから要注意! 塗料がオリジナルと違っていたらもっと悲劇になるし・・・。 多少の剥がれは気にしないことです♪ |
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ボードのMartin使いの皆さんの為にお知らせします。
'92年 OOO-28BSQ(ハカランダカスタム)リペア諸元 ペグ交換SCHLLER M6 MINI GOLD・・・・・・・・・・\19,000 フレット交換 LOW/WIDE 106-36/1000インチ・・・・\35,000 ブレーシング剥がれ補修・・・・・・・・・・・・・・サービス 今回のリペアは20本のフレットをGIBSONのようにやや太めに交換。 ペグを遊び心でGOLDのハンドルがクラシカルな小さいタイプに交換。 引き締まった感じで良いです。 マシン部は同じタイプなので取りつけ穴は変化なし。余計なキズはつけなくて済んだ。 フレット幅はMartinの標準が078(約1,98mm)に対し106(約2,69mm)に変更。 幅広で高さも低くした。 これによって指のあたりははるかに楽になる。 人差し指で弦を全部押さえるときもずっと楽。 フレットの交換によって生じるネックの変化は、フィンガーボードに差し込むフレットの溝が前のものよりわずかに太めのものになる関係上どうしても逆反り状態になる。(後ろに向かって反る) それにともない弦高が変化する。 僕のタイプOOOはブルースを弾く専用なので、すべて標準のものより低めにセットしてある。 今回さらに低くなってしまったので、 再度前の状態に戻す必要がある。 弦高(フレットの上部と弦の下部の幅:単位mm:調整前ー調整後の数値) 12フレット 6弦 2,00−2,00 1弦 1,70−1,20 2カポして15フレットを押さえ7フレットの弦高 (これはネックの反りを測るのに大事な技,しっかり覚えておいて) 6弦 0,15−0,12 1弦 0,10−0,10 右側の数値が調整後です。 ほぼこれが弦高を下げる下限。 新品のまま弾いている人は弦高はかなり高いです。 弾く曲や演奏スタイルや好みで変えるべきです。 そのままやっていちゃだめ! ナットとサドルを削って調整します。 初心者は上手なリペアマンにまかせるべき。 新たに作るには牛骨か象牙を推薦します。 牛骨でナット、サドルはそれぞれ2万円くらい。 見違えるようによくなります。 興味のない方にはながながとごめんなさい。 興味のある方には、これだけの情報でもスッゴーク授業料がかかっていることが解って貰えると思います
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