クラプトン発掘調査隊=interview&description
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来日公演25年間のあゆみ
クラプトン発掘調査隊 No.1
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No.1: CNN クラプトン・インタヴュー.1998.2.13.
2月13日(金)CNN ラリーキングライブ 夜11:00からの番組でエリック・クラプトンのロングインタヴューの、再放送がありました。
その前日は訳なしでしたが、昨晩は同時通訳がながれました。
エリックは、まるで湯上がりのように顔の色つやも良くお肌もつるっとしていて、元気そうに見えました。
眼鏡は薄く色が入っているもので、97年10月27日武道館のステージの時のに似ていました。
時々微笑みを浮かべながら、ひとつひとつ丁寧にいろいろな事を、話してくれました。
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ラリー:
今夜は出演してもらうのが極めて難しい、エリック・クラプトンさんを、1時間のゲストにお招きしています。(エリックの笑顔が画面に映る)
あなたは今までどんなにしてもらいたくても、だめだったのにどうしてそこに、座っているのですか?
エリック:
いずれはやらなければならないと思っていました、で今回は理由があるんです。
新しいアルバムが出るんです。
ラリー:
アルバムならこれまでも出していたんじゃないですか?
エリック:
ええ、でも今回は特に思い入れが強いアルバムなんです。それから私が建てている、治療センターの話しもしたかったんです。
ラリー:
カラを破ろうとしているんですか?
エリック:
そうですね、ゆっくりですけど。
ラリー:
コンサート以外は、公の場所に出ない方がやりやすいんですか?
エリック:
私は以前から普通の無名の人間として生活したいと思って来ました。フツーにしたいと思っているんです。
ラリー:
どこにでもいる人という感じですね。人ごみに隠れられると思いませんか?
エリック:
そう言われればそうかも知れない、自分でその術を身につけて来たんでしょうね。
『新作アルバムについて』
エリック:
「ピルグリム」という曲がまず最初に出来てこの曲をアルバムのコンセプトの中心にしようと思いました。
この曲はむかし出したアルバム「ジャーニーマン」の流れを汲んでいるんです。
ミュージシャンとしても生き方を投影させた、曲なんです。
ラリー:
自伝的なんですか?
エリック:
人生を探究する自分を孤独な男という意識を描いておます。
ラリー:
自分のことは書きにくいのでしょうか?
エリック:
ええ、と言のも私自信がきびしい批評家ですからね。
ラリー:
納得いく音楽でありながらミュージシャンとしての責任も果たさなければならない。
全てを実現しようとしています。全曲あなたが書いたんですか?
エリック:
競作ですね。
ラリー:
これまでもずーっとそうして来たんですか?
エリック:
こういったアルバムは実は初めてなんです。前回のアルバムはブルースだけのアルバムで全曲カヴァーでした。
ラリー:
基本はブルースと言うことですね。
エリック:
それが、私の原点です。
ラリー:
今回のアルバムでは、お嬢さんのルース・ケリー・クラプトンさんもやってますよね。
これはアメリカではまだ、あまり知られてないようですよ。
エリック:
はい、とてもいい子です。13歳、モンセラット島で生まれました。
たぶん今番組を見ていると思います。(幸せそうなオトーさんの顔)彼女が生まれた 当時私は、ハチャメチャな人生を送っていました。
いろんな女性を転々として、流れ者のように生きて、、、。
ラリー:
母親と結婚していないんですか?
エリック:
ええ、妻がいましたからね。ちょうど中年にさしかかって
ラリー:
これまでの人生には幸せも不幸もいろいろありました、ジェットコースターに乗っている 様な気分じゃあありませんでしたか?
エリック:
以前はそう思っていました、でも今は落ち着いてゆっくり走っていると言う感じです。
ラリー:
順風満帆ですね。
エリック:
ええ。
ラリー:
どうしてもっと早くそうなれなかったのですか、しようと思ったのですか?
エリック:
先の見えない事ばかりに魅力を感じていました。
ラリー:
つまり危ないのが好きだったんですね。
エリック:
無軌道で衝動的に生きていました。
ラリー:
一晩に2人の女性に会って3人目に見つからなかった?と心配するんですね。
エリック:
そうですね、それもやり方でしょうね。
ラリー:
なにがきっかけで道がひらけたんですか?
エリック:
1964〜5年頃ヤードバーズと言うバンドをやっていました。毎週1回位集まって、 パーテイーのノリで、、、。そこから一部のファンの様子を見ていて、自分は他の人間にはない何かが、あるのだろうなと思った。
ラリー:
気分が良かったですか?
エリック:
それから人気が急上昇して、、、。
ラリー:
レコードで最初にヒットしたのは?、、、すぐにヒットは出なかったんですね。
エリック:
私はアルバムの売り上げよりも良いアルバムが作りたかった、最初から計算して売れるアルバムを作ることは考えていませんでした。
いつも良いアルバムを作りたかったのです。
そして18歳の頃にはもうやることもないし、引退しようと思っていました。
ラリー:
ええ!本当ですか?
エリック:
しばらくして、ジョン・メイオールに誘われてブルース・ブレイカーズに入りました。
その時代に貴重な出会いがありました。自分に才能を育てるという事、バンドを維持していく方法を教えてもらいました。
ラリー:
それが重要だったんですね!そしてそれは、、、
エリック:
いい父親になるのと同じ事です。
ラリー:
つまり彼があなたの人生の中で重要な役割を果たしたんですね。
3月30日を皮切りに今回初めて20人のオーケストラを連れてツアーをします。
あなたはクリームでスターになっていますよね。
エリック:
クリームがアメリカ上陸のきっかけになりました。
クリームについては、ヒットするシングルさえ出せると思いませんでした。
逆にヒットしずらい曲ばかり、、、風変わりなバンドだったんです。
ラリー:
ロックスターになったら、どんな事が起こるのでしょうか?
エリック:
「EC was God」について、それを無視し、プレイする時には人気にとらわれまいとしてきました。
人気の恐ろしさを知っていましたからね。年齢が若くして才能が開花する前に人気が出ると、それだけで自分の持っている才能をそれ以上生かす事が出来なくなるんです。
それを知っていました。
ラリー:
夢にも思わなかった程の大金が入って来るし、そんな誘惑にはどんな風に付き合って来たのですか?
エリック:
高級車を買ったり贅沢三味をして来ました。麻薬は15歳頃から始めました。
15年間、問題はなかったのですが、30歳の頃ある日、妻に言われたんです。
「この週末だけお酒はやめられないかしら」と。私には自信がありました。
しかし確かにやってみたら禁断症状が襲って来たんです。ある日病院で目覚めました。
ラリー:
最初の時はどんな状況でしたか?
エリック:
どうしようもない孤独感です。
時に辛かったのは、私が他人から見たら羨ましい存在だったと言う事です。
全てを手に入れた男だと世間は思っていました。
美しい妻がいて、高級車を持っていてミュージシャンとしての栄光も手に入れて、 全てが恵まれた男だと思っていました。
若くて恵まれていました。でも毎晩、死にたいと思っていたんです。
自分がバラバラになるのを感じていました。
ラリー:
どうやって抜け出したんですか?
エリック:
治療を受けたんです。
治療センターに行きました。そして1年半程シラフでした。
いつの間にかドラッグを始めたんですが、酒が入ってないとドラッグが良くない事が分かりました。
でもそれは対処のし方が分かっていました。10年前からシラフです。
ラリー:
麻薬には2度と手を出しませんか?
エリック:
大波にのまれてしまいたくなった時、それをやってしまうかも知れません。
(コマーシャル)
ラリー:
ピルグリムのビデオはまだ出来ていません、エリックも今夜ジャケットカバーを 初めて見たばかりなのです。
子供の死と言う例えようもない悲劇をどのように乗り切ったのですか?
エリック:
う〜ん音楽や友達が重要でした。
友達の世話になり彼等を疲れさせてしまいました。そして週一回のカウンセリングを受けていました。
彼は57番街の高層ビルにいて、私は7ブロック離れたホテルにいました。
ラリー:
誰から聞きましたか?
エリック:
彼の母親から電話がありました。
ラリー:
4才だったんですね。
エリック:
4才半でした。
昼食に行こうとしている時でした。彼を誘って、、、
彼の母親は狂乱状態でした。
初め病的な冗談かと思ったほど信じられない気持ちでした。
ラリー:
歌を作ったんですよね。
エリック:
もう会えなくても当人が何処かに生きていてくれればずーっと簡単です。
それが生きていないのに、生きているというのが非常に辛いです。
ラリー:
その歌を録音するのが辛かったですか?
エリック:
彼の死以来もう何回も唄いました。
今は気持ちも違って来ています、、、。
ここ3年西インド諸島のアンテイグア島に治療センターを建設してきました。
麻薬とアル中のセンターです。
ラリー:
なぜ、アンテイグア島なんですか?
エリック:
ここ15年私のセカンドホームになっているからです。
ここにも問題が沢山あります。7月オープンが希望です。
視聴者からの質問:
ボブ.デイランのボーン・イン・タイムがアルバムに入っている事について。
フロム・ザ・クレイドルのツアーのビデオについて。
レクリエーション釣りについて。ニューヨークについて。
ラリー:
ツアーの名前はピルグリムツアーですか?
エリック:
はい、何かキザっぽいですが。
質問:
ジョージ・ハリスンについて?
エリック:
パテイ については、私はジョージ・ハリスンに憧れていましたし、彼のものが欲しかったのです。
でもとても辛かった。
彼の怒りが収まるには時間がかかると思うし、今でも許すことはないと思う。
質問:
ファッションについて、カメレオンと言われる程変わるけれど、いまのファッションは?
エリック:
今日はラリーのためにコンサバのスーツを着てきましたが、いつもはシャツにジーンズ です。
ラリー:
いつまで仕事をするんですか?
エリック:
進歩していると思えないなら辞めています。
演奏も前より進歩していると思うし唄も同じです。それは努力したからです。
ラリー:
このツアーはアメリカ、カナダそしてそれ以外の所でも行われる予定です。
【S Layla S】