大学生時代−2 【第七話】:ついにオーケストラ入団
★気づいたら1年振りにホルンを手にしてウォームアップ。音はなんとか出る。まもなく呼ばれて先輩2人とトリオアンサンブル。当時ホルンは対して吹けないが初見だけは利く。

Es譜で読替えが必要なライヒャも腕は追いつかないが、譜読みはなんとかなる。。
「初見強いね〜」「しばらく基礎練したら大丈夫だよ〜」との言葉にいたいけ(?)な新入生だった私は、すっかり気持は入団に傾く単純馬鹿・・・(^^;

★2時間ほど吹いただろうか。オケの練習時間が始まり、ホルンパート全員で6重奏や8重奏のアンサンブル。こんなのは高校で体験したこともない。しかも大学院の先輩達までいらしていたが、つい1ヶ月前まで高校生だった私にとってめちゃ大人の雰囲気。

うーん、これが大学生か、これが大学オケか、と、全くわかっちゃいない癖に雰囲気にのまれて舞い上がる。

さてあっという間にさらに4時間が経ち、練習が終わる頃には先輩達はすっかり私が入るものという雰囲気だし、私もすでに入団した感覚になっていてマルチ商法入会状態!(^^;

★しかし、あやうく洗脳されるところでやっと我に返る。
「じゃ、次回からよろしくね」とすっかり団員扱いのパトリ。
「いや、自宅も遠いので毎日練習に参加できませんので・・・」
「練習日は3日間だけよ。全体練習は水曜の5時−7時半と土曜の3時ー7時。 他に月曜日にパー練が5時−7時半よ」

ちょっと安心したが、高校時代は朝練も含めて毎日びっちりの吹奏楽あがりにとっては、そんなので良いのかと不安になる。すると察したように先輩が「後は昼休みとか空きコマ、バイト前の夕方に吹いたりしているのよ」

そうか、いやちょっと待て、私はすでに塾講のバイトが月曜と水曜に入っていて思い切りぶつかっている。「月曜と水曜は塾講入っているんですが・・・」この期におよんでまだ優柔不断だが、先輩の方が一枚上手だった。

「木曜は空いてる?じゃ月曜のパー練を木曜にするけど都合悪い人?」とみんなに計り、その場でパー練日を変えてしまう!さらに間髪入れず私に「月曜は皆がこうやって譲ったから、水曜はN君(私)がなんとか他に変えるなり都合つけてくれるよね?」

★さすがにもう抗う力は残っていなかった私は「ハイ!」と返事をしてしまいこの瞬間、今に至るまでオケに関わる私の運命は決まった。そしてそれが現在へと続くレールが敷かれてしまった瞬間であった・・・

【以上】
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