競争的世界観と脱競争型経営

〜脱競争型秩序を目指す和道と日本経営品質賞〜

分けのぼる麓の道はおおけれど同じ高嶺の月をみるかな

1)

近代文明の矛盾やほころびが露呈し、文明の崩壊の危機にあるにもかかわらず、人類は「競争的世界観」という天動説から抜け出すことができないでいる。

競争的世界観による競争原理の下で自由主義経済至上主義とバブルの崩壊、モラルの低下,アメリカ型金融資本主義システムの行き詰まり現象、テロ活動の続発、虚無主義の台頭は顕著である。

2)

この「競争原理」の根深さは「平和」や「愛」を説く団体までもが自派が他派を駆逐して優位になるシナリオを描いていることにも現れている。(例:原発反対運動)

3)

競争心(=優位執着+抗争姿勢)が進歩と改善に必要な存在という価値観が、競争また競争の営みを社会の隅々まで展開させている。

4)

かねてよりダーウィンの進化論的な覇道パラダイムである競争的世界観の行きづまりは多方面から指摘され、覇道に代わる、現実的な秩序形成の原理が求められ模索されてきている。

5)

安定的な平和秩序をもたらす基本条件として、誰が誰を支配することもなく、「異個性各々の自立と相互調和」を誘導する術が要請されてきている。

6)

1989年大和信春先生は著書「和の実学」の中で、日本の歴史の知恵であり、伝統の精神である和を西洋流の要素還元法により分析することにより和道の精神と現実世界で活用できる原理を明らかにされた。(例:てこの原理、漫画「日暮硯)

7)

「競争」という言葉は、下記のように置換えるべきである。
  ・市場に商品を出して選択を提起することを「提選」、提選し合うことを「交提」と呼ぶ。
市場の競争力とは商品の市場における交提力の意味

・競争のない社会は発展しないとは、自由(多様)な提選と交提のない社会は発展しないという意味

8)

商品(サービス)の「競争力強化」という場合、「特長化」という言葉で置換えるべきである

9)

製品・サービスの特長化、仕事のやり方の質、及び従業員の質の向上による社会への特異貢献が脱競争型経営(21世紀の進化型経営)の根幹である。
10)

21世紀は、日本人が和道を新時代の価値観として世界に啓蒙し、世界平和に貢献する時代の始まりとする認識が政・財・学界のリーダーに求められている。

 


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