中学生時代 【第二話】:吹奏楽部入部〜チューバへ転向!
★さて中学に入ってそれまで続けていた野球をやるか、吹奏楽部に入るか仮入部期間に迷っていた私は、友人に「ブラス見に行こうぜ」と誘われ勢いで見学に行ったのが方向を決めてしまった。

当然あこがれのホルン!と言いたいところだが、当時フレンチホルンは一台のみ。後はメロフォンというホルンとは左右逆で音を変えるのもロータリーではなくペットと同じピストン。ホルンの芸術的な美しい巻きに比べるとシンプルで情けなく思える。

が、夏にはもう1台買うことと、当時ホルンを吹いていたのが3年生で夏には引退、2年生のホルンはいなかったということもあり、夏休みには私もホルンを吹ける!と信じて疑わず入部を決意した。

ちなみに私を誘った友人は1ヶ月で退部。30人ほどいた仮入部員も2ヶ月もすると20名弱、その内男子は私含めて2名のみとなった時に、衝撃的な事件が起こった。

★6月の終りに顧問の先生にある日呼び出され「1年男子が2名しかいないから、悪いけどチューバに転向してね!」有無を言わせないその雰囲気に強制的に重大な決断を迫られる。

さて中学の吹奏楽顧問にチューバ転向を命ぜられて途方に暮れた。危うしあこがれのホルン!ウンパッパホルンからボンボンチューバへ転向か!?

当時のブラスの曲のホルンはたいして面白くない。ホルンのパートを揶揄して
「白丸、後打ち、ひげリズム」と言われる。

「白丸」とは全音符や2分音符で和音をボオーっと伸ばす。「後打ち」はマーチなんかで8分休符と8分音符が交互の「ンパンパ」の繰返し。

「髭リズム」は歌謡曲やポピュラーの編曲で「チャーッチャッチャチャー」等八分音符や十六分音符を含むリズムコード。トランペットやフルート、クラが華やかにメロディーを吹く陰で裏方に徹するので、「トランペット希望がじゃんけんで負けて」ホルンになるのも無理はない。(^^;

★ところがオケになると役割が一変する。コードを作り、美しい対旋律がありここぞというところで朗々とソロを吹く。馬鹿みたいに(失礼(^^;)旋律ばかりのパートより遙かにお洒落。だから吹奏楽のホルンはオケをやるためのワンステップと位置づけていた。

一方チューバはホルンの後打ちの「ッパッパ」に対して反対に頭打ち「ボンボン」で五十歩百歩。だが音楽の推進力で和声的にも支える重要な役と言えるし、中学生では顧問にも逆らえず、割り切ってコンバートを決意した。

★さて同じ金管楽器とは言えピアノからオルガンになるのと訳が違う。
音の出し方から、運指、譜面も違う。第一大きさが違う!金管楽器のマウスピース(音を出す部分)大きい順に並べると
チューバ>トロンボーン&ユーフォニアム>トランペット>ホルンとなる。

一番小さいホルンのマッピ(=マウスピース)はチューバのマッピにすっぽり入る程。唇中心のごく一部を振動させるのと口全体が入り唇全体を振動させるのは根本的に違うので大変。

★もう一つ大きな問題は中1の当初身長が140cmそこそこの小柄だった私は座って楽器を構えると口が届かない!(^^;

身長が伸び始めた中2後半までは、仕方なくもう一つ椅子を前に置いて楽器を乗せて演奏していた。さらに市民祭りのマーチングバンドで3kmも練り歩いて演奏する苦労と言ったら! (T_T)

それでも必死に毎日朝晩練習していくと、低音の楽しみも覚える。また当時習っていたピアノの音楽作りにも大きくプラスだった。3年次には吹奏楽コンクールも好成績で楽しいブラス生活を送れたのは満足。

そして高校で再びホルンにチャレンジすることになるが、道のりはそう簡単ではなかった・・・。
     道のりTOPへ