高校生時代−2 【第四話】:苦労も楽しいホルン
★中学時代は夏休みのコンクールがメインで3年はそれで引退であったが、高校のコンクールは文化祭と並んで一つの節目でしか無く、メインイベントは年度末の春休みにある定期演奏会で、2年生の終りで引退となり3年は受験に専念する。

ホルンセクションは上手な先輩と同輩の中で唯一初心者でオミソ的(!)存在であったが、ホルンは先輩も同輩も楽しく良いメンバーに恵まれ充実していた。

★さてコンクールが終り9月早々に文化祭が有り、いよいよ春の定演の曲が決まりだして動き出す頃、大きな転機が訪れる。

パトリの女性の先輩は「芸大受験のため個人レッスンに専念したい。」 そしてほぼ同時に男のもう一人の先輩は「東大目指すから受験勉強に専念したい」となんと一度に退部してしまった!。

うちの高校は県で1、2を争う進学校で毎年10名ほどの東大合格者を出す一方で毎年何名かの芸大合格者も出る珍しい高校であったが、しかしそれが何もホルンに集中しなくても良いだろうに・・・。残された3匹の子豚たちは途方に暮れるが、やらなくてはならない。

★東葛ブラスの定演は3部構成で第1部は吹奏楽オリジナル曲、第2部ポピュラー、第3部はオケのアレンジもの。

とりあえず大まかに一部ずつトップを3人で分けることになり、皆に頼りきりの私もいきなり大きな責任が発生して嫌が応でも練習しなくてはならない。

部活は地学部とかけもちで、さらに生徒会事務局なんぞもやっていたし、文化祭委員会だの合唱祭審査委員会だのイベント実行委員会はほとんど関わっていたので(いつ勉強するんだ!)、殺人的に忙しい生活を送っていた(今と同じか・・・(^^;)のだが、それはさておき練習するしかない。

★とは言うもののホルンはめちゃ難しい。世界で一番難しい楽器としてギネスブックにオーボエと並んで載っていたくらい。まずマウスピースは小さくかつ管は細くて長く倍音が多い。抵抗が大きいのにごく微妙な振動で音が変わるのでプロでもミストーンがしばしば。

従ってちょっとやそっとでうまくなれるわけでも無いやっかいな楽器である。しかしそれだけにたまに上手く吹けるとめちゃ嬉しい。

そして1年の時の定期演奏会のメインは「展覧会の絵」全曲でアレンジものながら初めてオケの曲を経験したのが後に大きな影響を与えることになるのであった。
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